解体工事前に必須の事前調査!安全・スムーズに進める方法
- 藤建設
- 10月20日
- 読了時間: 15分

▶︎1. 解体工事の事前調査が必要な理由とは

1.1 事前調査の目的と重要性
解体工事を始める前には、必ず「事前調査」が必要です。 これはただの準備作業ではなく、法律や安全面でとても重要な役割を果たします。
まず、事前調査の大きな目的は以下の3つです。
建物内にアスベストなどの有害物質が含まれていないか確認するため
構造や設備の状況を把握し、安全な作業計画を立てるため
廃棄物の分別や処理方法を明確にして、法令に従った処理を行うため
とくにアスベストの事前調査は法律で義務化されており、怠ると罰則の対象にもなります。
たとえば築年数の古い建物では、外壁材や天井材などにアスベストが使われているケースが少なくありません。事前調査をせずに解体作業を進めてしまうと、飛散したアスベストにより近隣住民や作業員の健康被害を引き起こす恐れがあります。
こんな失敗が多いです:
図面や資料が古く、実際の建物と異なっていた
有害物質の見落としにより、工事中に作業が中断した
解体後に廃棄物処理のトラブルが発生した
これらのリスクを避けるには、現地確認や分析調査を含む丁寧な事前調査がカギになります。
日常でたとえるなら、健康診断をせずに手術を受けるようなもの。 問題点を洗い出し、適切な処置を考えるからこそ、安全な工事が可能になります。
「工事を安全・確実に進めるためには、事前調査の精度がすべての土台になる」と言っても過言ではありません。
1.2 対象となる工事と調査義務
解体工事における事前調査は、すべての建物が対象ではないと誤解している人も多いかもしれません。しかし実際には、かなり広い範囲で調査が義務付けられています。
建築物の解体や改修に際しては、以下のような工事が対象となります。
建築物全体の解体
内装・天井・壁など部分的な解体や改修
空調・配管・電気設備などの取り外しを含む工事
これらの工事でアスベストを含む建材を使用している可能性がある場合、調査を実施し、その結果を報告する義務があります。
特に重要なのが、以下の2つの法律です。
法律名 | 義務内容 |
石綿障害予防規則 | 事前調査と作業計画書の作成・掲示義務 |
大気汚染防止法 | 特定の建材使用時には行政への届け出義務 |
対象となる建材は「吹き付け材」「保温材」「成形板」など多岐にわたります。 建物が築30年以上経過している場合は、特にアスベスト含有の可能性が高くなります。
こんなトラブルがよくあります:
工事着工後に「報告義務があった」と発覚し、作業中止
適切な届け出を怠ったために、罰金や行政処分を受けた
現場での石綿飛散により、近隣とのトラブルが発生
こうした事態を防ぐためには、解体や改修工事を計画する段階で、 「これは事前調査の対象になるか?」を必ず確認することが大事です。
業者に任せきりにせず、自身でも調査義務の概要を理解しておくと安心です。
▶︎2. 解体工事の事前調査で行う具体的な手順

2.1 書面調査(設計図書・図面による確認)
解体工事の事前調査は、まず「書面調査」から始まります。 これは、建物の設計図や仕上げ表、過去の修繕履歴などを使って、使用されている建材や構造を確認する作業です。
書面調査でチェックする主なポイントはこちらです。
建設された年代(アスベスト使用の可能性があるか)
使用された建材の種類と配置場所
過去に大規模な改修・修繕があったか
建材メーカーや型番情報
書面調査の段階で多くの情報が整理できれば、現地調査や分析の範囲もぐっと効率的になります。
ただし、実際にはこんな問題が起こりがちです。
古い建物で図面が見つからない
修繕や増築の履歴が曖昧
図面の内容と現況が一致しない
こうした場合には、調査の信頼性が下がってしまうため、次のステップである目視調査や分析調査がより重要になります。
また、書面調査ではアスベスト建材の使用が疑われるかどうかを判断することもポイントです。たとえば、吹き付け材やパッキン類などは、図面上には明記されていないことも多いため注意が必要です。
建築士やアスベスト診断技術者など、専門知識を持った人が調査を担当することで、精度が格段に上がります。
「図面の確認だけで済ませる」のではなく、現場との照合が欠かせません。 それが、安全で無駄のない工事へつながる第一歩です。
2.2 目視調査(現地調査の進め方)
書面調査に続いて行うのが、現地での目視調査です。 これは、実際の建物に出向き、目で見て確認しながら状況を把握する非常に大事なステップです。
目視調査では以下のような内容を確認します:
建材の劣化や破損の有無
仕上げ材の種類(吹き付け、成形板、保温材など)
建物の増改築の有無とその状態
天井裏、床下、配管周辺など図面ではわからない箇所
たとえば、壁や天井の一部がはがれていたり、古い保温材がむき出しになっている現場などでは、アスベスト含有のリスクが高まります。 目視による確認で「疑わしい部位」が特定できれば、次のステップである分析調査にスムーズにつなげることができます。
こんな失敗が多いです:
薄暗い場所や高所の確認を怠り、危険箇所を見逃す
増築された部分の使用建材が未確認だった
現場写真を撮っておらず、後日トラブルになった
目視調査は、単なる「見回り」ではありません。 写真撮影・メモ・図面への書き込みなどを行い、記録をしっかり残すことが大切です。
また、アスベストに関する調査では「特定建築物石綿含有建材調査者」などの資格を持った調査員が実施することが推奨されています。 安全性の高い解体工事のためには、プロによる丁寧な現場確認が欠かせません。
「見て終わり」ではなく、記録を残すことで信頼できる調査が実現します。
2.3 分析調査が必要な場合とは
書面調査や目視調査を経ても、建材にアスベストが含まれているか確証が持てない場合は、「分析調査」が必要になります。 これは、実際に建材のサンプルを採取して、専門機関で成分を検査する調査です。
分析調査が必要になる主なケース:
建材の種類が不明で、目視だけでは判断できない
アスベスト使用が疑われるが、明確な資料がない
既存の図面や仕上げ表に記載がない場合
分析は通常、偏光顕微鏡(PLM法)やX線回折装置(XRD法)などを用いて行います。結果が出るまでに1週間前後かかることもありますが、正確な判定のためには欠かせません。
こんな場面では分析調査が不可欠です:
天井裏の吹き付け材が劣化していて、粉塵化している
外壁パネルが古く、メーカーや製造年が不明
保温材の断熱材が剥がれていて、飛散リスクがある状態
こうした状態でアスベストを含んでいた場合、そのまま工事を進めると作業員や周囲の人が吸入してしまう危険性があります。
調査結果により、アスベスト含有と判定された場合には、「石綿障害予防規則」や「大気汚染防止法」に基づいて、適切な除去工事と届出・掲示が義務付けられます。
「たぶん大丈夫」で進めるのは、法律違反にもなりかねません。
費用や時間がかかる面はありますが、安全・法令遵守・信頼性のある工事のためには、分析調査は欠かせない工程です。
▶︎3. 解体工事の事前調査を怠った場合のリスク

3.1 健康被害の観点
解体工事の事前調査を行わずに作業を始めると、最も深刻なのが健康被害のリスクです。 特にアスベスト(石綿)は、吸い込むことで重篤な病気を引き起こす有害物質として知られています。
アスベストが原因とされる主な病気は以下の通りです。
中皮腫(ちゅうひしゅ):肺や腹膜のがん。潜伏期間が30~40年と非常に長い
石綿肺(せきめんはい):肺が繊維化して呼吸困難を引き起こす
肺がん:アスベスト曝露による発症リスクが高まる
これらの病気は、アスベストを長期にわたって吸い込むことで発症するものですが、短期的な高濃度曝露でも健康被害を引き起こす可能性があります。
とくに問題なのが、以下のような現場です。
古い吹き付け材が劣化していて、作業中に大量の粉じんが舞う
調査を怠ったまま破砕・切断を行い、建材の飛散が起きる
解体現場周辺に居住者や通行人がいるのに防じん対策がなされていない
事前調査を行っていれば、こうしたリスクを予測・回避できます。 逆に調査がなければ、作業員は防護装備なしで作業することになり、重大な健康被害につながる恐れがあるのです。
また、健康被害が発生すれば、施工業者への損害賠償請求や訴訟問題に発展する可能性も。 作業員の安全確保はもちろん、企業としての社会的責任を果たすうえでも、事前調査は絶対に欠かせません。
「調査しなかったこと」が、命を脅かす結果になる――そんなリスクは避けたいですよね。
3.2 法令違反による罰則や行政処分
解体工事の事前調査を行わなかった場合、健康被害だけでなく法令違反による厳しい罰則や行政処分の対象になることがあります。 これは、国がアスベスト対策を重視しており、違反に対して非常に厳しい姿勢を取っているためです。
主に関係する法律と義務内容は以下のとおりです。
法律名 | 義務 | 違反時の罰則 |
石綿障害予防規則 | 事前調査・作業計画書の作成・掲示 | 最大50万円の罰金、立入禁止命令など |
大気汚染防止法 | 特定建材の使用確認と届出 | 最大100万円の罰金、工事中止命令など |
労働安全衛生法 | 作業員への健康配慮・保護具の着用義務 | 使用停止命令、改善指導、労基署の立入調査 |
とくに「届出漏れ」や「無調査での工事開始」は、即時に指導対象になることが一般的です。
以下のような失敗例が多く見られます:
書面上の調査報告書を作成せずに着工し、工事中に指摘されて中断
調査内容が不十分で、行政の立入検査で工事ストップ
届出義務のある材料が使われていたにも関わらず、未報告だったために罰金処分
これらのトラブルは、たった一つの調査ミスや報告漏れから発生します。 実際、監督署や自治体は、アスベスト工事に関しては定期的な巡回や調査を行っており、「見逃されること」はほぼありません。
また、行政処分を受けた業者は、信用を大きく失い、入札参加資格を剥奪されることもあります。
「知らなかった」「忘れていた」では済まされないのが、事前調査に関する法令です。 ルールを守り、安全で合法な工事を行うためにも、最初の調査はとても重要です。
3.3 工期遅延・追加費用の発生
解体工事で事前調査を怠ると、健康や法令の問題に加えて、工期の大幅な遅れや想定外の費用増加にもつながります。 これは、事前に必要な情報が把握できていないことによって、作業が途中で止まる・やり直しになるといったトラブルが発生するためです。
よくあるトラブルとその結果を整理すると以下のようになります:
トラブル内容 | 発生する問題 |
アスベストを含む建材を工事中に発見 | すぐに作業中止、分析・除去工事の追加手配で数日〜数週間の遅延 |
建材の種類や量が未把握だった | 廃棄物処理の手配ミスで費用が倍増するケースも |
法令違反で行政からの工事停止命令 | 現場停止により、全体スケジュールが白紙に戻る可能性も |
たとえば、現場でアスベストの疑いがある建材が突然見つかると、その場で作業を中断し、専門機関にサンプルを送り分析する必要があります。 この時点で、2〜3日では済まず、1週間以上の工期遅延が発生することも珍しくありません。
また、作業を急いで進めたことで分別解体が不十分だった場合、廃棄物が混在して処理費用が通常の1.5倍〜2倍以上になることもあります。 しかも追加費用が発生するのは工事終盤になってからのケースが多く、発注者にとっても業者にとっても大きなストレスです。
こんな失敗が多いです:
当初の工程表通りに進まず、他業者の予定にも影響が出た
調査不足で見積もりが甘く、あとから数十万円の追加請求が発生
着工後に行政から工事停止を受けて信用を失った
「最初にきちんと調べておけば防げた」—そんな後悔をしないために、事前調査は絶対に手を抜いてはいけません。
工事のスムーズな進行も、コストの最適化も、すべては最初の調査で決まります。
▶︎4. 解体工事の事前調査を依頼する際の注意点
4.1 有資格者による調査の重要性
解体工事の事前調査は、専門知識を持った有資格者に依頼することがとても重要です。 建材の識別やアスベストの判断は、経験と技術がなければ正確に行えません。
主な関連資格:
特定建築物石綿含有建材調査者
建築物石綿含有建材調査者
一級建築士・二級建築士
これらの資格者は、法令に沿った調査と記録作成が可能であり、報告内容に信頼性があります。
よくある失敗例:
資格を持たない業者に依頼し、調査のやり直しに
曖昧な判断でアスベストを見落とし、工事中に発覚
報告書の様式が不備で、届出が受理されなかった
調査精度が高いほど、トラブルの発生率はぐっと下がります。 資格の有無は必ず確認し、安全・確実な工事に備えましょう。
4.2 見積段階で調査費用が明示されているか
解体工事を依頼する際は、見積書に「事前調査費用」が明確に記載されているかを必ず確認しましょう。 不明瞭な見積りは、後からのトラブルや追加請求につながる可能性があります。
チェックすべき項目:
アスベスト調査費用の有無と内訳
分析調査が必要な場合の追加料金
報告書作成や届出対応の費用を含んでいるか
これらが明記されていれば、費用面の透明性が高く、安心して工事を任せられます。
よくある失敗例:
契約後に「調査費は別途」と言われ、追加費用が発生
安さに惹かれて依頼したが、調査が含まれておらず手配が二度手間に
曖昧な金額設定で、後から想定外の出費が増えた
見積書に「調査費用」が含まれているかどうかで、信頼できる業者か判断できます。 不安な点があれば、必ず事前に質問・確認をしましょう。
4.3 写真記録・報告書提出の有無を確認
解体工事の事前調査では、調査内容を証明する「写真記録」と「報告書」の提出があるかを事前に確認することが重要です。 これらがないと、法令対応やトラブル時の証拠が残らず、後から問題になることも。
確認しておきたい項目:
調査箇所の写真記録があるか
使用された建材の状態を明示しているか
アスベスト有無の分析結果が記載された報告書があるか
書面による報告がしっかり残っていれば、役所への届出や発注者への説明にもスムーズに対応できます。
よくある失敗例:
口頭報告のみで、後日内容に食い違いが生じた
写真がなく、調査実施の証明ができなかった
報告書が形式不備で、役所に再提出を求められた
記録があるかどうかで、その業者の信頼度がわかります。 工事の信頼性を担保するためにも、書面と写真での記録提出は必須です。
▶︎5. 藤建設による解体工事の事前調査サポート
5.1 調査から除去・解体・原状回復まで一貫対応
藤建設では、アスベスト調査から除去作業、建物解体、そして原状回復までを一貫して対応しています。 複数の業者に依頼する必要がないため、手間やコストの削減につながります。
一貫対応のメリット:
打ち合わせ窓口が一つでスムーズ
工程の管理が一元化され、工期の短縮に貢献
追加費用や段取りミスのリスクが少ない
調査結果をもとに、最適な方法で安全に工事を進められるのが強みです。
よくある問題点(他社分離発注の場合):
各業者間の連携不足で工事がストップ
責任の所在が曖昧でトラブルになった
工期が延び、結果的にコスト増加
藤建設なら、すべての工程を一社で完結できる安心感があります。 調査から工事完了まで、スムーズに進めたい方に最適な体制です。
5.2 即日対応でスケジュールの安心を提供
藤建設では、お客様のご要望に応じて最短で即日対応が可能です。 「急いで解体したい」「すぐに調査してほしい」といったニーズにも柔軟に対応しています。
即日対応が選ばれる理由:
急な立ち退きや引渡し期限に対応できる
他業者のスケジュールに間に合わせやすい
緊急のアスベスト調査依頼にも迅速に対応可能
現場状況や時期によっては、当日の現地調査や見積提出にも対応できる体制を整えています。
よくあるトラブル(対応が遅い業者の場合):
調査までに数日かかり、着工が大幅に遅延
依頼しても連絡が遅く、不安が募る
工事業者の予定に影響し、全体の工程がズレる
スピード対応が求められる場面こそ、実績と体制がしっかりした会社を選びたいですね。 藤建設なら、安心してスケジュールを任せられます。
5.3 全国対応と専門技術を活かした高品質施工
藤建設は京都を拠点に、全国どこでも対応可能な体制を整えています。 地方や遠方でも、同じクオリティで安心・安全な解体工事と事前調査を提供しています。
全国対応のポイント:
現地調査から工事完了まで一括で対応
地域特有の建材や法令にも対応可能
交通費や出張費が明確で予算調整も安心
さらに、経験豊富なスタッフがアスベストを含む建材の判別や除去作業にも熟練しています。
よくある不安や問題点:
地方では対応できないと断られた
慣れていない業者で工事品質がバラついた
法令や手続きに不備があり、届出に時間がかかった
どこでも同じレベルの安全・丁寧な工事を提供できるのが藤建設の強みです。 地域に関係なく、安心して依頼できる対応力があります。
▶︎6. 解体工事の事前調査を成功させるために
解体工事を安全かつスムーズに進めるには、事前調査を確実に行うことが最大のポイントです。 調査を怠ると、健康被害や法令違反、工期遅延、追加費用といった多くのトラブルに発展します。
成功させるためのチェックポイント:
有資格者による調査で精度を確保する
調査結果を写真・報告書でしっかり記録する
信頼できる業者に一括で依頼することで連携ミスを防ぐ
見積段階で調査費用や工程を明確にする
藤建設では、調査から工事完了まで一社完結で対応し、全国どこでも高品質な施工を提供しています。
解体工事の成功は、事前調査で8割決まります。 最初の一歩を丁寧に踏み出すことで、後悔のない工事につながります。
▶︎信頼と実績の解体工事は藤建設が対応します。
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