top of page

原状回復工事の費用相場はどれくらい?内訳と節約術を解説

  • 藤建設
  • 6月23日
  • 読了時間: 13分

更新日:8月4日


ree


▶︎1. 原状回復工事の費用相場はどれくらい?


ree

1.1 原状回復工事の基本と費用の考え方

原状回復工事とは、賃貸物件を退去する際に、借りたときと同じ状態に戻すための工事です。 

オフィスやテナント、店舗などでは、壁・床・天井・設備に至るまでの広範囲な工事が求められることもあります。

この工事の費用は、面積や工事内容、元の状態、契約条件によって大きく変動します。


主な費用の内訳はこちらです。


  • 床材・壁紙の張り替え(クロスやタイルカーペットなど)

  • 電気・空調・照明機器の撤去

  • トイレや給湯室の設備回収

  • 間仕切りの解体

  • 清掃や塗装などの仕上げ作業


原状回復工事の費用相場は、1坪あたり2万円〜5万円前後が一般的とされています。 

たとえば30坪(約100㎡)のオフィスなら、60万円〜150万円程度を見ておく必要があります。


ただし、以下のようなケースでは、さらに費用がかかることがあります。


  • スケルトン返却が義務付けられている

  • 原状回復の範囲が契約上厳しい

  • 高グレードな内装素材が使われていた


反対に、契約条件によっては「軽微な補修だけでOK」という場合もあり、10万円前後で済むこともあります。


こんな失敗が多いです。

  1. 「見積もりを一社だけに頼んでしまった」

  2. 「契約内容をよく確認せず、退去後に追加請求を受けた」

  3. 「相場を知らず、不要な工事まで含まれたプランで依頼してしまった」


これらを避けるためには、複数業者に相見積もりを取り、契約時点でどこまで原状回復が必要かを明確にしておくことが大事です。


たとえば、引っ越しと同時並行で進めなければならない場面では、業者との段取りミスでスケジュールがずれ、余計な費用が発生することもあります。 

早めに情報を集めておくことで、こうしたトラブルも防げます。


1.2 原状回復費用の相場と内訳

原状回復工事の費用は、面積・工事内容・物件の状態・契約条件など、さまざまな要素が重なって決まります。 

そのため一概に「いくらかかる」と言い切るのは難しいですが、おおよその相場を把握しておくことで、見積もり時の判断材料になります。


一般的な費用の相場は、以下のように整理できます。

工事内容

費用の目安(1坪あたり)

壁紙の張り替え

約5,000〜15,000円

床材(タイルカーペットなど)張替え

約6,000〜20,000円

電気・照明設備の撤去

約3,000〜10,000円

間仕切りの解体

約8,000〜20,000円

スケルトン返却

約20,000〜50,000円


スケルトン返却が求められる場合は、特に費用が高額になります。

たとえば30坪の事務所をスケルトン状態に戻すと、60万円〜150万円程度かかることもあります。 

一方で、壁紙や床の張り替えだけの軽微な工事であれば、20万円〜30万円前後で済むこともあります。

注意点として、次のような点が見積もりに影響することが多いです。


  1. グレードの高い素材を使用していた場合  

    撤去や再施工にもコストがかかります。


  2. 造作が多く、解体が複雑な内装だった場合  

    間仕切りや什器の解体・処分費用が加算されます。


  3. 入居年数が長い場合  

    劣化が進み、補修範囲が広くなりがちです。


費用を抑えるためには、「どの範囲まで工事が必要なのか」「貸主の求めるレベルはどこか」を事前に把握しておくことがカギです。 

また、見積書の内容を一つひとつ確認し、不明点は必ず質問して明確にしておくことも大切です。


見積もり項目の中には、業者ごとに命名や分類が違うこともあるため、「名称が違っても同じ工事内容」である可能性もあります。 

複数社の見積もりを比較し、正確な判断をすることが失敗しないコツです。



▶︎2. 原状回復工事費用が高くなる要因


ree

原状回復工事を検討する際、多くの方が直面するのが「思ったより費用が高い…」という問題です。 実はその裏には、いくつかの典型的な要因が隠れています。

ここでは、費用が高額になりがちな主な要因を3つご紹介します。


2.1 工事範囲の拡大と高額な素材の使用

まず最も影響が大きいのが、工事範囲が必要以上に広く設定されてしまうことです。 

たとえば、ほんの一部だけ補修すれば済むところを、全面張り替えにしてしまうケースがあります。

また、内装に使用されていた素材が高級なものだった場合、その撤去・再施工にも費用がかかります。 


以下のような例が当てはまります。


  • 床材が無垢材や特殊タイルだった

  • 吸音性や防炎性のあるクロスを使用していた

  • オーダーメイドの間仕切りや造作家具があった


素材のグレードが高いと、同じ工事内容でも2〜3倍の費用差が出ることもあります。

余分な費用を防ぐには、どこまでが必要な範囲かを貸主と明確に話し合い、安易に「全部やり直す」という判断を避けることが重要です。


2.2 指定業者による見積もりの偏り

貸主側から「指定業者を使ってほしい」と言われることがありますが、ここにも費用が高くなる落とし穴があります。 

指定業者の場合、貸主との関係性が強く、競争原理が働かないことが多いため、相場より高い見積もりが出されるケースがあります。


よくある注意点はこちら:

  • 他社との比較ができない

  • 工事項目の根拠が不明確

  • 値引き交渉がしにくい


相場よりも1.5倍〜2倍の価格が提示されることも珍しくありません。

可能であれば、複数の業者に見積もりを依頼し、内容を比較するのがおすすめです。 

また、「指定業者の使用は絶対条件か?」を事前に確認しておくと安心です。


2.3 契約内容の不明確さによる追加費用

費用が高騰するもう一つの原因が、契約書の記載が曖昧なまま進めてしまうことです。 

たとえば、「原状回復は借主の責任」とだけ記されていて、どこまで工事が必要なのか明記されていないことがあります。


そうなると、貸主側が「この部分も直してください」と追加要求をしてくることもあり、そのたびに費用が膨らみます。


よくある失敗としては:

  1. 契約書の内容を細かくチェックしなかった

  2. 図面や仕様書のコピーを保管していなかった

  3. 担当者との口頭確認だけで済ませてしまった


こうしたリスクを防ぐためには、契約時に「どこまでを原状回復とするか」を具体的に明記しておくことが大切です。 

また、工事前に現地確認を行い、貸主と共通認識を持つことで後のトラブルも防げます。



▶︎3. 原状回復工事費用を抑えるポイント


ree

「なるべく費用を抑えたい」と考えるのは当然のこと。 

原状回復工事では、ちょっとした工夫や確認で大きなコストダウンが期待できます。

ここでは、費用を抑えるために実践したい3つのポイントを紹介します。


3.1 相見積もりの取得と比較検討

費用を抑えるうえで最も有効なのが、複数の業者に相見積もりを取ることです。 

1社だけに依頼すると、その価格が適正なのか判断できません。


相見積もりのメリットはこんなにあります。


  • 適正価格の把握ができる

  • 工事項目の違いが見える

  • 値下げ交渉の材料になる


同じ工事内容でも、業者によって10万〜30万円ほど差が出ることもあるため、最低3社からの見積もりを取りましょう。

また、金額だけでなく「項目の明細」や「工期」「アフターフォローの有無」なども比較ポイントです。 

安さだけで決めず、内容と信頼性のバランスも考えるのがコツです。


3.2 契約書の確認と交渉の重要性

工事費用を大きく左右するのが、契約書に記載されている原状回復の範囲です。 

この内容が曖昧なままだと、退去時に想定外の工事を求められることも。


特に次のような文言には注意が必要です。


  • 「原状回復は借主の責任とする」

  • 「入居時の状態に戻すこと」

  • 「指定業者を用いること」


これらは一見普通の内容に見えますが、実際には「どこまで直せばいいのか」が明確でないことが多いです。 

原状回復の範囲やグレードが契約書に記されていなければ、貸主との交渉で条件を調整できる可能性があります。


退去前に次の3点を確認しておきましょう。


  1. 原状回復の対象範囲(床・壁・天井・設備など)

  2. 指定業者の有無とその理由

  3. 入居時の状態を記録した写真・図面の保管状況


書面での合意があれば、後から追加請求を受けるリスクも減らせます。


3.3 不要な工事の見極めと削減

最後に重要なのが、本当に必要な工事だけを見極めることです。 

業者の中には、利益を上げるために過剰な工事を提案してくる場合もあります。


よくある過剰工事の例:

  • 壁紙全体の張り替え(部分補修で済む場合でも)

  • 床材の全面張り替え(部分的な張替で十分なケース)

  • 電気配線の全撤去(再利用できるケースもある)


こうした工事を削減するだけで、10万〜50万円以上の節約につながることもあります。

対策としては、次のような行動を取りましょう。


  • 「この工事はなぜ必要か?」と明確な説明を求める

  • 工事項目ごとの単価を提示してもらう

  • 自分で調べて相場を知っておく


また、工事後に再入居が決まっている物件では、貸主側も全面的なスケルトン工事を必要としない場合があります。 

その場合は、双方にとって無駄なコストを省くことができるため、貸主と事前にしっかり話し合うことも節約のカギです。



▶︎4. 原状回復工事の見積もり・契約のチェックポイント


原状回復工事は、ただ業者に任せるだけでは思わぬトラブルや無駄な出費を招いてしまいます。 

見積もりや契約段階での確認と準備が、費用とトラブル回避のカギになります。

ここでは、工事前から完了後までの重要なチェックポイントを3つに分けて紹介します。


4.1 見積もり書で確認すべき項目とは

見積もり書を受け取ったら、金額だけで判断するのはNGです。 

細かい内訳と工事内容の妥当性をしっかり確認することが大切です。


特に注目したいのは次の項目です。


  • 各作業ごとの単価と数量が明記されているか

  • 「一式」などの曖昧な表記が多くないか

  • 材料費・人件費・諸経費が分けられているか

  • 工事の範囲と内容が図面や写真で補足されているか


「一式」でまとめられた項目が多い見積もりは、実際の作業内容が不明瞭で、不要な費用が含まれていることがあります。

また、見積書には有効期限や支払い条件も書かれているので、必ず確認しましょう。 

「工期中に追加費用が発生する可能性があるか」なども、事前に質問しておくと安心です。


4.2 契約前に注意すべきポイント

見積もりを確認したら、いよいよ契約です。 

でもその前に、契約内容のチェックは絶対に欠かせません。


主な確認ポイントはこちら。


  1. 契約書に原状回復の対象範囲が具体的に記されているか

  2. 工事内容と見積書の記載が一致しているか

  3. 工期と作業時間が明記されているか

  4. 遅延や中止時の対応が契約条項に含まれているか

  5. 瑕疵(施工不良)への保証や修繕義務があるか


「とりあえずサイン」で契約してしまうと、後からの変更や交渉が難しくなります。

また、契約時には「貸主にも書面で承諾をもらっておく」ことが大事です。 

たとえば工事範囲に関して口頭で合意していた内容が、後になって「そんな話は聞いていない」となると、大きなトラブルになります。


契約内容を共有した上で、貸主・借主・施工業者の3者間で書面の合意を取り交わしておくのがベストです。


4.3 工事完了後にやっておくべきこと

工事が終わったからといって、安心してそのまま退去してはいけません。 

最後のチェックと記録をしっかり行うことが、後のトラブルを防ぎます。


工事完了後にやっておくべきことはこちら。


  • 施工後の状態を写真で記録しておく

  • 工事内容をチェックリストで確認する

  • 貸主または管理会社と立ち会い確認を行う

  • 修正や手直しが必要な箇所がないか確認する


施工不備や仕上がりの不満を後から指摘しても、時間が経っていると対応してもらえないこともあります。

記録を残しておけば、「ここまでは工事した」「この箇所は元の状態だった」と証明にもなり、不要な請求や責任の押し付けを避けられます。


また、貸主から引き渡し時に「ここが不十分だ」と言われた際にも、写真を提示することでスムーズな説明が可能になります。



▶︎5. 原状回復工事を依頼する際の注意点


原状回復工事をスムーズに、そして適正価格で進めるためには、依頼前の準備とチェックがとても重要です。 ここでは、業者選びから工事後までの注意点を3つに分けて紹介します。


5.1 信頼できる業者の選び方

業者選びを間違えると、工事の質や費用、スケジュールに大きな影響が出ます。 

信頼できる業者を見極めるポイントを押さえておきましょう。

チェックすべきポイントは以下の通りです。


  • 原状回復工事の実績が豊富か

  • 見積もりが詳細かつ丁寧に説明されているか

  • 契約書や施工内容の説明が明確か

  • 担当者が質問に対して誠実に答えてくれるか

  • 口コミや評価が安定しているか(第三者の意見も参考に)


「見積もりの早さ」や「金額の安さ」だけで決めるのは危険です。 

施工後の対応や、予期せぬトラブルへの対処力も重視すべきポイントです。

また、可能であれば過去の施工事例を見せてもらったり、会社の所在地や実態がしっかりあるかも確認しましょう。


5.2 工事内容と費用の明確化

原状回復工事では、工事内容とその金額が明確にされているかどうかがトラブルを防ぐカギになります。

見積書での確認だけでなく、打ち合わせ時にも次の点を明確にしておきましょう。


  • 工事の対象箇所と施工方法(例:壁紙全張替えか部分補修か)

  • 使用する材料とそのグレード

  • 工事のスケジュールと所要日数

  • 万が一の遅延時の対応

  • 緊急連絡先や当日の責任者


「言った・言わない」で揉めるのを避けるためにも、打ち合わせ内容は必ず書面に残しておくことが大切です。

また、予算の上限を事前に伝えておくと、業者も費用感を意識して見積もってくれることがあります。


5.3 工事後の確認とアフターサポート

工事が完了した後も、しっかり確認を行い、必要であればアフターサポートを依頼することが大事です。


こんなポイントを確認しましょう。

  • 工事が契約通りに実施されているか

  • 仕上がりに問題やミスがないか

  • 清掃や片付けがきちんとされているか

  • 写真などで記録を残しているか


万が一、不具合が見つかったときのために、施工後の保証期間や無償対応の条件を事前に確認しておくことも重要です。


中には「引き渡し後は一切対応しません」という業者もあるため、保証内容や対応姿勢で業者の信頼性を判断することもできます。

また、貸主との立ち会い確認にも同席してもらえるかどうかも、安心感につながります。



▶︎6. まとめ


原状回復工事は、退去時に避けて通れない大切なプロセスです。 

しかし、「費用が想像以上だった」「何をどう工事すればいいかわからなかった」という声も多く聞かれます。

事前の準備と正しい情報があれば、無駄な出費やトラブルを大きく減らすことができます。


6.1 原状回復工事費用の理解と対策の重要性

原状回復工事の費用は、物件の状態や契約内容によって大きく変わります。 

そのため、相場を把握し、自分のケースではどの程度の費用が見込まれるかを具体的に知ることが大事です。


ポイントをおさらいすると:

  • 工事の範囲や素材のグレードで価格は大きく変動する

  • 相見積もりを取ることで無駄な支出を抑えられる

  • 契約書に記載された原状回復条件を必ず確認する

  • 工事内容・費用を明確化し、書面で残すことが重要


「知らなかった」だけで数十万円以上の差が出ることもあるので、知識を持つことが最大の防御策です。


6.2 適切な対応でトラブルを未然に防ぐ

原状回復工事は一度きりの作業ではありますが、その後の費用負担や関係性に大きな影響を及ぼします。 

工事を始める前、契約書を交わす前、工事が終わった後の各段階で丁寧な対応を心がけることが、トラブルを防ぐ第一歩です。


  • 業者とのやり取りを記録として残す

  • 契約内容を見落とさない

  • 貸主との認識をしっかりすり合わせる


このような基本的な対応を徹底するだけで、余計な費用や時間をかけずに原状回復を終えることができます。

原状回復工事は、正しく進めれば想像以上にスムーズで安心して任せられます。

 この記事を参考に、一つひとつ丁寧に対応していきましょう。



▶︎原状回復や解体工事の不安、藤建設がまるごと解決。

オフィスや店舗の原状回復から、建物の解体、有害物質除去まで。藤建設なら、法令を遵守した安全で丁寧な対応が可能です。

ご相談・お見積もりは無料。電話またはお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。



 
 
 

コメント


bottom of page